他の法人との違い
NPO法人は、株式会社や合同会社、社団法人や財団法人といった他の法人とは、いくつか違う点があります。ここでは、他の法人とNPO法人を比較することによって、NPO法人ならではの特徴を浮き彫りにしていきます。
会社とNPO法人との違い
まずは、株式会社や合同会社といった「会社」とNPO法人の違いから比較していきます。
設立にかかる費用
株式会社や合同会社とNPO法人との違いは、NPO法人は設立のためにかかる費用が「0円」ということがあります。
資本金 | 定款認証手数料 | 定款に貼る収入印紙代 | 登録免許税 | |
株式会社 | 1円から | 5万円 | 4万円 (電子定款であれば0円) |
15万円 もしくは資本金額の0.7%のどちらか高い方の金額 |
合同会社 | 1円から | 0円 | 4万円 (電子定款であれば0円) |
6万円 もしくは資本金額の0.7%のどちらか高い方の金額 |
NPO法人 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
事業内容の違い
株式会社や合同会社の場合、違法でなければ事業内容の制限はありませんが、NPO法人では、「特定非営利活動を主な目的」としていることが第一条件となります。
特定非営利活動とは、特定非営利活動促進法にて決められた20項目の事業のうちのどれかに当てはまるものとなっています。
1.保健や医療もしくは福祉を増進するための活動
2.社会教育推進活動
3.まちづくりの推進活動
4.学術、文化、芸術、スポーツの振興活動
5.環境保全活動
6.災害救援活動
7.人権擁護活動もしくは平和推進活動
8.地域の安全活動
9.国際社会協力活動
10.男女共同参画社会の形成促進活動
11.子供の健全育成のための活動
12.情報化社会の発展のための活動
13.科学技術振興のための活動
14.経済活動活性化のための活動
15.職業能力の開発もしくは雇用機会の拡充のための活動
16.消費者の保護のための活動
17.他のNPO法人へのサポート活動
18.観光の振興のための活動
19.農山漁村もしくは中山間地域の振興のための活動
20.自治体が条例で定めた活動
設立にかかる期間の違い
株式会社や合同会社の設立にかかる期間は、2週間から4週間ほど(+準備のための期間)となっています。
一方、NPO法人の設立にかかる期間は、認証の申請から手続きがすべて完了するまで、早くて2ヶ月、最長の場合は6ヶ月かかります。
社団法人や財団法人との違い
続いて、NPO法人と一般社団法人、一般財団法人との違いを比べていきます。
設立にかかる費用
一般社団法人や一般財団法人とNPO法人の違いは、設立にかかる費用が「0円」という点があります。
資本金または財産 | 定款認証手数料 | 定款に貼る収入印紙代 | 登録免許税 | |
一般社団法人 | 0円から | 5万円 | 0円 | 6万円 |
一般財団法人 | 300万円以上の拠出財産 | 5万円 | 0円 | 6万円 |
NPO法人 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
事業内容の違い
一般社団法人と一般財団法人の場合、法律違反でなければ事業内容に対する制限はありません。一方、NPO法人は、特定非営利活動を主な目的とした事業内容でなければ認められません。
社員や役員について
社員(または設立者) | 役員 | 親族の制限 | 役員の報酬制限 | |
一般社団法人 | 2名以上の社員 | 1名以上の理事 (非営利型法人は3名以上の理事) |
非営利型法人では制限があります | なし |
一般財団法人 | 1名以上の設立者 | 7名以上の理事 (評議員3名、理事3名、監事1名) |
非営利型法人では制限があります | なし |
NPO法人 | 10名以上の社員 | 4名以上の役員 (理事3名、監事1名) |
役員総数の1/3 | 役員総数の1/3 |
NPO法人の場合、役員には3親等以内の親族は役員総数の1/3までとなっています。役員総数が5名以内の場合は、親族や配偶者は役員になれません。役員総数が6名以上となってはじめて、本人と親族(もしくは配偶者)1名が役員になることができます。
それから、NPO法人の役員報酬も役員総数の1/3だけが受け取れることになっていますが、役員総数が4名から5名の場合、1名だけが役員報酬を受け取ることができます。役員総数が6名から7名となった場合は、そのうち2名に役員報酬が支払われます。
設立にかかる期間
一般社団法人と一般財団法人の設立にかかる期間は、2週間から3週間程度ですが、NPO法人の場合は、2ヶ月から6ヶ月となっています。