相続時精算課税制度
平成15年の税制改正により導入された制度です。今まで贈与税は一般的に高額でしたが、生前贈与をしやすくするために、相続税と贈与税を一体化した新しい課税制度です。
適用を受けるための条件
(1)贈与する側は満65歳以上の親で、贈与を受ける側は満20歳以上の子であること。
(2)直系卑属である推定相続人であること。(代襲相続人、養子、子が死亡している場合には20歳以上の孫を含む)
(3)2,500万円までは非課税、2,500万円を超える部分については一律20%課税される。
つまり、65歳以上の親が20歳以上の子供に生前贈与をした場合、2,500万円までは非課税とされますが、2,500万円を超えた部分については一律20%が課税されることになります。また、2,500万円までであれば贈与財産の種類、贈与金額、贈与回数に制限はありません。
ただし、この制度は贈与税が課税されなくなるということではありません。相続時に、生前贈与を受けた財産と相続財産を合計して相続税額を計算します。既に、納付した贈与分については相続財産から差し引かれて納付されます。つまり、生前に贈与税を支払わなくて良い代わりに、後から相続税としてまとめて支払うことになります。
相続時精算課税制度の手続き
贈与を受けた者は、必ず贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に、税務署に「贈与税の申告書」と共に「相続時精算課税制度選択届出書」を提出する必要があります。この期間を過ぎてしまうと贈与税が課税されてしまいます。
また、一度この制度を利用した場合、その次に贈与を行ったときに通常の贈与税の制度に戻ることは出来ません。つまり、贈与者が死亡するまではこの制度の利用が継続されますので注意が必要です。また両親2人からこの制度により贈与を受けたい場合は、父・母別個での届出が必要になります。