遺言の取り消し

遺言者が遺言書を作成後、時が経つのや心境の変化などにより、遺言の取り消しをしたいと思った場合は｢遺言者はいつでも遺言の方式に従って、その全部又は一部を取消すことができる｣と民法で定めています。よって、遺言者は誰の同意もなく、いつでも自由に遺言書の内容を変更したり取り消したりすることができます。

自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合は、自ら遺言書を破ったり、消却することで遺言の全部を取り消すことができます。ただし公正証書遺言の場合には、原本が公証人役場に保管されていますので、手元の正本や謄本を破棄しても、遺言を撤回したことにはなりません。

内容が矛盾する新たな遺言書を作成することで遺言は取り消されます。日付の新しい遺言書が存在する場合、前の遺言書は取り消されます。

「平成○年×月△日作成の遺言は全部取消す」というような、以前に作成した遺言書を取り消す旨を記載した新しい遺言書を作成する。

訂正の場合は、訂正する個所を二本線で消し、その横に訂正後の文言を記入します。さらに訂正個所に印鑑を押し、欄外に「～行目、～字削除、～字加入」と記載し、署名します。間違えてしまうと無効になってしまいますので初めから書き直す方が無難かも知れません。

「平成○年×月△日付遺言中の～～の部分の遺言は取消す」というような内容の遺言書を作成することで、遺言の一部を取り消すことができます。

一部を訂正した新たな遺言書を作成することで、遺言書の一部を取り消すことができます。日付の新しい遺言が存在する場合、こちらが優先されます。